ジャニーズ・エンタテインメント 大久保嘉人 少年愛小説


己の立場を危惧(きぐ)するのは真幸の方であって、アレスではない。

「嘉瑞は本当に情緒がないよねえ」。真幸ができることは、アレスの今の行為では欲しいものは手に入らないと教えることだけだ。眠っていたひかりも徐々に意識が浮上してきたのか身動ぎをしたが、一征はひかりから離れることができなかった。「ばかだよなぁ」。大学が忙しいから。やっと勇人が好きなのだと、彼に恋をしているのだと自覚して、叶うはずもない身のほど知らずな片想いにやるせない溜息が出る。

「この年で誕生日会なんて恥ずかしいものがあるし…元旦に似合わないと思うけど……よかったらカイゼルにも参加して欲しいんだ。普通のニューイヤーパーティーをやるつもりでいいから」。何もないどころか、ケインには現実の光景は何ひとつ見えていないはずだった。

「どうしましょう…ルキヤ。眼球がんきゅうが、流れそうです…」。無理だと分かっているから、ただ見つめ続けるだけ。そしてまた、自分でも堪えられない衝動に駆られて南の高校へと足が向いてしまうのだ。信彦の突き刺す様な視線が見ずとも隆幸をなじっているのが分かるからだ。

自分で買ったバスローブを着て、恥ずかしそうにちょっと短めの髪を手で隠すようにして優一が答える。体の上に、乗られる格好。そして、どうして、自分はされるままになっているのだろう。鹿島は噴き出さないように口を押さえるので大変である。真琴は威圧感のある男との沈黙に耐えられず、何か話題はないかと頭をフル回転させた。すべてを飲みこみ、すべてを生み出す…、そんな不思議な瞳。「だって……」。


ボーイズラブ小説作品紹介


黒と白、仲むつまじき二頭の駿馬にまたがる、美しい2人の男。大和の国の後継者・明仁と、その側近武人・曠世だ。明仁は間もなく帝位継承の日を迎えるはずだったが、姉の明日香に命を狙われ、曠世と2人きりで都を出て西国へと向かっていた。命懸けの旅の中で、互いの気持ちを確かめあい、強い絆で結ばれるが、明日香帝と、帝をも操る参謀・鷹司卿の魔の手は確実に迫ってきていて――。シリーズ完結。

タイトル:まほろば恋奇譚〜成愛篇〜
著 者 名:剛しいら
レーベル:ダリア文庫e
発 行 元:オークラ出版

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