哀愁でいと 駒野友一 ボーイズラブ文庫


なんとか高校に入学さえしてしまえば、いいアルバイトを探せるかも知れない、と。

「……由良は知りませんでした……ずっと主様に守られていたなんて……」。「どうした?まだ正気に戻らないのか?」。七重は勇一郎の指に顎を捕えられたのを感じた。クリスは萎縮《いしゅく》している拓海に、威圧的に言葉を放った。

もし僕が本当にまずい状況にあったら、和ちゃんはきっと手を出してこない。

深月の体は二度三度とバウンドして、スプリングの揺れが収まりきらないうちに昂に押さえ込まれた。「やだよ、そんなことして俺になんのメリットが……」。「おまえがなにも聞かないなら、おれだってなにも話さねーよ!」。「一つしかベッドがないから、どうするんだと思う?」。そして、たおやかな身を覆っているのは七色に重なった十二単(ひとえ)であった。だが―――工藤のキスはそんな抵抗を吹っ飛ばしてしまうほど―――甘く巧《たく》みであった。

言われ慣れているとはいえ、柾に言われると、バカにされているようでむかつくのだ。ふくれっつらで校庭を見やると、最悪なタイミングで高敏の姿が目に入る。そうなのだ。「じゃあ、目覚まし七時十分前にセットしておこう」。駅まで歩いてくる途中、最後に、二人でよく登ったカーファックス・タワーを見上げてきた。実際いつの間にか、脱衣所で座っている男は温泉に浸かろうとしてここに来たのだろう。「つけすぎ。どうしよう、顔を洗ってきた方がいいかも」。

さっきと同じ答えではぐらかすと、古川は顔を離して立ち上がった。嘉瑞は眉根を寄せ、ぐぐぐと足を踏ん張った。


ボーイズラブ小説作品紹介


バーテンダーの伊澤京弥は、店の常連客で老舗呉服屋の御曹司・鴻ノ池悠仁に恋心を抱いていた。 募る想いに夜ごと、悩ましい妄想までするようになった京弥は、店で二人きりになった晩、思いきって告白する。 酔っていた悠仁は京弥にキスをするが酔いつぶれ、翌朝、目覚めたときには何も覚えていなかった。 心に余裕のない京弥は、前夜の責任をとってつき合ってくれと悠仁に迫るが……!?

タイトル:不器用な挑発
著 者 名:伊郷ルウ
レーベル:アクア文庫
発 行 元:フロンティアワークス

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