キャンスト ひかる一平 少年愛小説


沙維の絹糸のような黒髪が雨に濡れて細い雫(しずく)を携えた。

人と神々では歳月の流れが違うとはいえ、なぜこの者の祖先が西の果てに水晶宮があることを知っているのだ?蘭はそんなことを考えながら、目の前で恐れ戦きながらうろたえている若者を見つめていた。同じ部屋でセックスをしていたから、そのくらい分かっている。「社長、こんな所でどうされたんですか?お一人ですか?」。鹿島の年齢と容姿、そして物慣れたその態度からして初めてのはずがない。

彼のスミレ色の瞳が暗く沈む。「……」。

嘉瑞が落ち着いたのを見届けると、高敏は隣の部屋を指さした。だがその期待は今まで見事なまでに裏切られていた。それを認めた佐伯と牧野の胸がキュンッと締め付けられる。「ないって、本当に言いきれる?達郎は、僕だけじゃダメなんだろう?」。「ほらね」。「口開けて、どうすんの?」。

風呂に入りに来たのに、入るに入れない。「修一郎っ!おいっ、冗談……っ」。

高敏は続けた。唯一の救いは、雄一が慣れている、ということだけ。『ピピピピ、ピピピピ』耳障(みみざわ)りな音が響いた。「きみが声をかけたからだろう?それで、なに?」。だって悪いのは、なにがなんでもすべてあいつだから!と河内は揺るぎなく憤る。いや、きっと仲良くなれなかった。拓也はちょっとばかし嬉しそうにいった。


ボーイズラブ小説作品紹介


経理室の長谷崎冬夜は、一流スタイリストを目指す宮野宏隆に片想い中。 そんなある日、母の策略により宏隆と一緒に住む事になってしまい、うろたえながらも宏隆に尽くす決意をする。 一方、宏隆は企画のためとはいえ、超ダサい冬夜との同居にうんざりしていたが、冬夜の健気な様子は大変微笑ましく、その上、素顔が信じられないほど綺麗で、一緒に暮らすうちにどんどん惹かれてしまい……。

タイトル:見ているだけじゃ我慢できない
著 者 名:高月まつり
レーベル:七日間シリーズ
発 行 元:フロンティアワークス

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